広島県安芸太田町柴木
『日本の滝百選』 3ヶ所の駐車場から3ヶ所のコースで出来るだけ多くの滝を巡る。
ウィキペディアから
一帯は石英斑岩からなり、長年の浸食によって節理が刻まれ、断層が露出している。比高は400mあり、その間に、名称の由来にもなった落差30mの三段滝をハイライトに、黒淵、猿飛の滝、二段滝、三ツ滝、龍門の滝があり、5つの滝と2つの淵が七景として知られる。他に長淵、大淵といった滝壺の跡、耶源、王城など無数の景勝地が連なる。
これらの景観は軽装でも気軽に散策できるように遊歩道が設けられている。これは三段峡が名勝に指定された時に、観光整備したためである。このときの開発は環境に極力配慮したため、ほとんど自然環境を損なうことはなかった。しかし、柴木川の最上流に樽床ダムが建設されてからは水量が減少し、以前ほど滝の迫力がなくなったと言われている。また、一帯には国有林も多く、伐採の対象となっており、その環境問題が懸念されている。
なお、柴木川の支流田代川を更に上流に行くと全く手付かずの秘境である奥三段峡がある。遊歩道など観光設備が整備されていないため、本格的なトレッキングの準備が必要である。
正面口〜黒淵の散策
このコースには大きな滝が無いと思い、期待は薄かったのであるが、綺麗な”姉妹滝”、滝を上回る迫力ある渓谷も見れたので充分に満足出来た散策だった。評価が良かったのは2日前の大雨の恩恵だったかも知れない。次には紅葉時のシーズンに訪れてみたいものだ。
三段峡
三段峡の観光シーズンは4月中旬から11月下旬であり、既にシャトルバス、渓谷渡船は終了している。
シャトルバスが運行しているなら全縦走で散策するのであるが、今日は3ヶ所のコースを3ヶ所の駐車
場から出来るだけ短いコースで出来るだけ多くの滝を巡ることにする。
さんだんきょう
正面口〜黒淵:往復1時間38分
水梨口〜二段滝、三段滝:往復1時間59分(昼休憩時間含む)
水梨口〜二段滝、三段滝の散策
2時間で散策を終える。今日のメインの2滝であったが、二段滝は渡船に乗らないと見ることが出来なかった。渡船が営業するシーズンには駐車料金も要ることになるので、正面口からの全縦走をしてシャトルバスで正面口に帰る手を使う必要がありそうだ。
樽床ダム〜三ツ滝、龍門:往復28分
樽床ダム〜三ツ滝、龍門の散策
シーズンになっても樽床ダムの駐車場は無料であろう。 次回はここまで全縦走してみたいが、ここにシャトルバスが来ているのか調べておく必要がある。
ここまでシャトルバスが来ていなくても水梨口まで引返せばシャトルバスに拾って貰える。
匹見峡は中止する
今日は匹見峡も散策する予定であり、まだ時間も充分残っているのだが、霧雨が降って来たので、中止することにした。
9時35分に駐車場から歩き始め、お土産街を抜けて行く。
晴天ではあるが気温は8℃とやけに寒い。
三段峡正面口周辺には沢山の駐車場があるが、オフシーズンの時期なので徴収員が居ない。良く見ると料金箱が置いてあり、ここに入金しろと書いてあるのかも知れないが、老眼なのでそれは見えなかった。
正面入口にあった大きな観光地図。
クリックででかくなります。
赤く塗られた橋を左岸に渡って”長淵”の領域に入って行く。
国の名勝になっているらしいが、国の名勝って何? と思うがそんなのはどうでも良いか。
”狼石”の表示があったが、その由来は書いていなかった。ネットで見る
と”狼が峡谷に向かってほえている形と、渓流の音が岩を反射・共鳴し狼
の遠吠えのように聞こえることから名付けられました。”とあった。
綺麗に裾を広げた”姉妹滝”は落差20m程だろうか。一昨日、西日本に大雨が降った影響だろうか水量は充分にあった。滝壷の水の透明度が格別だった。
”竜ノ口”の上流側は小さな滝の連続となり荒々しい流れを見せていた。
”姉妹滝”の落ち口にもなっている”竜ノ口”は綺麗な渓谷美を見せてくれた。
荒々しい流れであるが、水の色はあくまでも綺麗だった。
”竜ノ口”上部が三段峡の峡谷としての一番の見せ場に思えた。
誰も片付けることが出来ない流木が一本。次の豪雨を待つしかないか。
荒々しく流れていた峡谷が終り、静かな流れに変わってしまった。
遊歩道は簡易舗装されており歩行困難な所はなかった。
立木に”兜岩”と書かれた標識が張ってあったが、どれのことか判らない。多分、三角錐の様な岩が”兜岩”なのだろう。
水量が多いだけの沢になってしまった三段峡。
おとなし流れになった渓谷の前方には荒々しい岩峰が見え出した。
遊歩道の下に流れ落ちて行く滝が見えて来た。
ゴツゴツした岩肌で滝水が広がり綺麗な姿をしていた。
”庄兵衛岩”とはこのトンネルが開いている岩峰のことなのだろうか。トンネルは高さがあり短いので通り抜けるには何の問題もなかった
峡谷の流れは再び激しくなって来た。橋となっている遊歩道が良い景観をかもし出している。
曇り空なのにコバルトブルーが見事だ。陽が射した状態を見てみたいものだ。
沖縄の海を思い起こす。
左のか細いか滝が”石樋”なのだろうか。
遊歩道から見る限りは8mもの侵食は見られなかった。
右側の細い滝。共に高い位置から落水して来ている。
滝の落差としては相当なものなのだろうが上部は樹木に
隠れて見えていない。
”石樋”と呼ばれている左の滝。手前の岩から計れば8mの侵食になっているのかも知れない。
渓谷の両岸には格好良い岩峰が聳えていた。
”ぐるの瀬”は直ぐに判ったが”塔岩”どれか判らない。写真の岩峰なのだろうか。
桂林を思わす岩峰が数多く出て来る。どれも格好良い。
この無名滝も相当高い所から始まっていた。
上部の樹木の中に滝が少し見えていた。
”深渕”と言う利きなれない言語で書かれていた。
だらだら歩き48分にて営業は終って立入り禁止となっている渡船場に着く。”黒渕”を見る為に立入り禁止区域に立ち入る。
渡船としては目と鼻の先の”黒渕荘”を往復するだけであるが、狭谷を見る為に乗ってみたい思いだ。
オフシーズンでひっそりとした渡船場。
渡船はこの狭谷を抜けて黒渕荘まで行くのだろう。
遊歩道を更に進み高い位置から”黒渕荘”を見る。
”黒渕荘”もオフシーズンに入りひっそりとしていた。
遊歩道は二段滝、三段滝に行くことが出来る水梨口まで続いているが、そこまでの往復には余りにも時間が取られてしまうので、ここで引返して車で改めて水梨口に向うことにする。
復路も渓谷、滝を眺めならが緩やかに戻って行く。
”庄兵衛岩”の手掘りトンネルの反対側を見る。
往路でお気に入りとなった”竜ノ口”を愛でて行く。
少し光の当り具合が変わって来た”姉妹滝”
散策1時間38分でオフシーズンで閑散とした正面口駐車場に戻る。
シーズン中の日曜日なら車で一杯になっていると思われる。
車で”水梨口”に移動する。ここにも広い有料駐車場があったが集金場には徴収員は居なかった。11時38分に散策道を歩き始める。
気温は朝から上げっておらず8℃と低く、歩いていないと寒い。
直ぐに三段滝への分岐となるが、渡船に乗らないと見えないと忠告されていた”二段滝”に向う。ここの遊歩道も簡易舗装されておりスニーカで充分歩くことが出来た。
ほぼ水平道の遊歩道が続く。
最初は沢に渓谷感が無く、面白みが無かったが、その内、沢は激しくなって来た。
樹木が邪魔して良く見えなかったが ”五朗堰”と表示された地点あたりから沢の流れは荒々しくなって来た。
荒々しい流れであるが樹木が邪魔してビューポイントが無い。
30分程で猿飛の渡船場に着く。注意書き通りに渡船乗場からは”二段の滝”がまったく見えず ”猿飛”の岩の隙間の奥も見えない。
”猿飛”とは河原に飛び石があるものと思っていたが、説明板を読んでもどこのことを言っているのかまったく判らなかった。
営業戦略でこの表示が張られていると思い、遊歩道を更に進み、二段滝の上に行く。下方から滝音が聞こえるが樹木が茂り滝の姿は殆んど見えない。
狭谷の奥を見たくて河原に下りてみるが、入口が見えるだけで奥まではまったく見えなかった。やはり渡船でないと”二段滝”を見ることが出来ないのか。
これが樹木で殆んど見えない”二段滝” これでは滝を見たことにならない。
斜面の緩い所を探して相棒に斥候に行って貰う。見えるとの合図で俺も斜面を下ってみるが、見えるとは言い難い感じだった。この先は崖なので、これ以上下るのは難しかった。
二段滝から三段滝へは近道を通り、渓谷沿いの散策道を進んで行く。
落差30m、滝名通りに三段に落ちる”三段滝”
滝壷の大きさが印象的であった。
正面から見ると四段の滝にも見える。ここから次の目的地 ”三ツ滝”に行けるのであるが、
距離が遠く往復しなければならないので、水梨口に引返して車で行くことにする。
最初の二段滝、三段滝の分岐点に戻る。
ロッジ、お茶屋さんが建ち並ぶ”葭ヶ原”に戻る。遊歩道の両側に新旧二つのトイレあり。ここを通り過ぎると水梨口の駐車場となる。
駐車場横の遊歩道入口には三ツ滝まで5分、竜門まで15分の道標あり、今日の散策で一番簡単に済みそうだ。
樽床ダムの公園に移動する。小雨が降って来た。13時58分に駐車場を出発する。
遊歩道を下って行くと直ぐに総落差31mの ”三ツ滝”に着く。
大きな滝床であるが滝水が殆んど流れておらずにがっかり。
ここへの滝水は聖湖、樽床ダムからのものでダムで水量制限をされているらしい。
ダムからの水なので沢水は汚かった。
更に遊歩道を下って行くと途中に綺麗な無名滝があった。小さいながら綺麗な滝だった。
その気になれば正面口まで行くことが出来る遊歩道を下って行く。
表示が無いので判らないが、これが”竜門”なのだろう。
ちょっとした峡谷となっており見る価値はあった。
下流側から見上げた”竜門”
”竜門”に小さな滝が流れ込んでいた。
早々に駐車場に戻る。散策時間は28分だった。
船着場の小屋で昼飯として、さっさと”三段滝”に向う。
日本百景
最近、滝巡りをして思うこと。
山の標高は1m違ってもニュースになる程に正確に測量されているが、滝の落差は誰が測量しているのか? 多段滝ならどこからどこまでの落差なのか? 目測でいい加減に書かれている落差が多い感じがする。三段峡の滝も落差の表記がされていないのが残念なところだ。